絞り開放は、被写体と背景を強調して、よりドラマチックな写真を撮影したい場合に有効な設定です。
メリットは多く存在しますが、デメリットもいくつかあります。
今回は絞り開放での撮影にどのような効果や、写真に起きる現象についてご紹介します。
絞り開放を使いこなして、より美しい写真を撮影しましょう。
絞り開放とは?

絞り開放とは、レンズの絞りを最も開放した状態で撮影することを指します。
つまり、レンズが許容する最大の光量を取り込むことができます。
F値が小さいほど絞りが大きく開いており、F値が大きいほど絞りが閉じています。
絞り開放を使用すると、レンズにより多くの光が取り込まれ、明るい写真を撮ることができます。
絞り開放のメリット
それではまず、絞り開放でのメリットについてご紹介していきます。
被写体を明るく撮影することができる

絞り開放は、被写体を明るく撮影できるというメリットがあります。
これは、絞りを開放すると、レンズからより多くの光が入るためです。
そのため、夜景撮影や暗い場所でも被写体を明るく撮影することができます。
また、絞り開放は被写体と背景の距離感を表現しやすく、ボケを表現するのにも有効です。
被写体と背景の距離感を表現しやすい

絞り開放は、被写体と背景の距離感を表現しやすいというメリットがあります。
これは、絞りを開放すると、レンズから入ってくる光の量が大きくなると同時に、ピントが合う範囲が狭くなるためです。
そのため、被写体にピントを合わせると、背景がボケて、被写体と背景の距離感を強調することができます。
ポートレートや風景写真などの撮影にも効果的です。
ポートレートでは、絞り開放で撮影することで、被写体の顔を際立たせ、背景をぼかしてドラマチックな印象を出すことができたり、被写体の背景をボケさせることで、被写体をより大きく、より印象的に表現することができます。
風景写真では、絞り開放で撮影することで、被写体に近い部分にピントを合わせ、遠くの部分をボケさせて、被写体を引き立たせることができます。
シャッタースピードを速く保つことができる

動く被写体を撮影する際に有効な設定です。
例えば、スポーツや子供の動きなどを撮影する場合、絞り開放にすることで、シャッタースピードを速く保ち、ブレずに撮影することができます。
さらにシャッタースピードを速くできることにより、ISOの値を最小限にでき、高画質な写真を暗所でも撮影することができます。
絞り開放のデメリット
次は絞り開放のデメリットについて、ご紹介していきます。
被写体のピントがぼやけやすい

絞り開放は、被写体と背景の距離感を表現しやすく、ボケを表現するのにも有効ですが、被写体のピントがぼやけやすいというデメリットもあります。
これは、絞りを開放すると、レンズから入ってくる光の量が大きくなると同時に、ピントが合う範囲が狭くなるためです。
そのため、被写体にピントを合わせたとしても、背景がボケて、被写体のピントがぼやけることがあります。
レンズの歪みが目立ちやすい

絞り開放は、被写体と背景の距離感を表現しやすく、ボケを表現するのにも有効ですが、レンズの歪みが目立ちやすいというデメリットもあります。
これは、絞りを開放すると、レンズから入ってくる光の量が大きくなると同時に、レンズの歪みも大きくなるからです。
そのため、被写体の形がゆがんで見えることがあります。
レンズの歪みを抑えるには、以下の点に注意しましょう。
- 絞りを開放しすぎないようにする
- 被写体とカメラの距離を近づける
- ズームレンズを使用する
- マニュアルフォーカスを使用する
光の逆光に弱く、フレアが発生しやすい

絞り開放は、被写体と背景の距離感を表現しやすく、ボケを表現するのにも有効ですが、光の逆光に弱く、フレアが発生しやすいというデメリットもあります。
これは、絞りを開放すると、レンズから入ってくる光の量が大きくなると同時に、レンズ内の反射も大きくなるからです。
そのため、太陽や強い光源が画面に入ってしまうと、フレアが発生して、写真が汚く見えてしまう場合があります。
フレアを抑えるには、以下の点に注意しましょう。
- 太陽や強い光源を画面に入れないようにする
- レンズフードをつける
- レンズを遮る
最後に
絞り開放は、私もよく活用している設定です。
特に暗所の撮影が多い私にとって、必須な設定です。
絞り開放で撮る理由、撮らない理由などを明確にしておくと、作品作りもハッキリしてくると思います。
さらに絞り開放のメリットとデメリットを理解して、効果的に活用して写真作りをしていきましょう。