最近、オールドレンズをミラーレスカメラに付けて使う機会が増えました。
その中でも今回ご紹介する「FED 50mm f3.5(Industar-10)」は非常に良い表現をしてくれるレンズです
作例と合わせて歴史をご紹介していきます。
「FED 50mm f3.5(Industar-10)」について

焦点距離 | 50mm |
絞り | 最小 f3.5 – 最大 f16 |
レンズ構成 | 3群4枚 |
絞り羽根 | 8枚 |
撮影距離 | 最短 1.25m – 最大 ∞ |
マウント | L39 |
重さ | 111g |
このレンズは、1934年最初のFEDに初めて登場し、Industar-10としても知られていました。
FEDは、ロシア語でFelix Edmundovich Dzerzhinsky(フェリックス・ジェルジンスキー) の頭文字です。
彼は歴史的人物で、ソ連の秘密警察などに関与していたらしいです。
Industarは、1930年代からFEDやその他の工場で製造されたカメラで、使用されているTessarタイプのレンズ設計です。
地域としては今のウクライナのハルキウにあたる場所です。
外観はドイツのライカElmar折りたたみ式レンズによく似ていますが、光学系は別ものです。
使い勝手ですが正直あまりよくはないです。
絞りを変更するには、レンズの横にある小さなボタンをスライドさせる必要があります。
フォーカス調整もわかりにくいのとレンズは無限遠位置でロックされ、そこからまたピンを調整しようとする時ボタンを押しながら動かす必要があります。
写りですが非常にソフトな描写です。
フレームの端で解像感低下があるのと、エッジが若干ぼやけ気味な気がします。
あとは全体的なコントラストが少ない印象です。
ソ連製レンズは特徴的なエフェクトがかかるレンズが多いです。
過去に紹介したレンズもあるので是非合わせて読んでいただければと思います。
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価格
フリマサイトやオークションサイトでは、だいたい¥6,000~¥12,000で取引されています。
オールドレンズなのでもちろん中古になります。
下のボタンから「FED 50mm f3.5(Industar-10)」を探してみて下さい。
もしかしたら状態がいいものや格安で出品されているものがあるかもしれません。
外観


レンジファインダーカメラZorki-4に装着してみました。
沈胴している状態です。非常にコンパクトになります。


沈胴していたレンズ部分を前に引っ張ると撮影できる状態になります。
マウント変換アダプター


中国の会社が手掛けるK&F CONCEPTのマウント変換アダプターを今回は使用しました。
非常に頑丈な印象で機能面は特に問題ないです。
「FED 50mm f3.5(Industar-10)」の場合ですが、無限遠にする時のボタン下が干渉するので、変更したい時は一度ボディとアダプターを少し緩める必要があります。


私はレンズ側がL39マウント、ボディ側がNikonのZマウントに変換できるものを買いました。
組み合わせの見た目はあまりよくないですね。
M39とアダプターに表記されていますが問題なく使えます。
あくまでマウントを変換するものなので、絞りやフォーカス、手振れ補正といったものはついていません。
作例


















最後に
ふんわりとした描写なのでこの雰囲気を出したい人は非常に多いのではないかと思います。
私自身も気に入っており、デジタルカメラだけではなくフィルムカメラでもよく使っています。
Industar10は安価で、オークションサイトやeBayで大量に販売されています。
私の場合は6000円ほどで購入しました。
ただし購入する際はカビ、バルサム切れ、多数の傷など確認してから購入するのをおすすめします。
みなさんも是非お試しあれ。